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歯周病(歯槽膿漏)治療

歯周病とは?


 (1)歯周病とは、歯を支えている歯周組織(歯肉・歯槽骨・歯根膜・セメント質)が細菌に侵される感染症のことです。
 歯周病はかつて歯槽膿漏といわれました。これは歯ぐきが腫れて、歯と歯肉の隙間から膿が出てくることに由来します。
歯周病は歯肉炎と、さらに病状が進行した歯周炎に分類されます。
歯肉炎とは、細菌による炎症が歯肉に限局して起きたものです。歯ぐきが赤くなったり、腫れたり、歯ぐきからの出血があるときは、歯肉炎にかかっている可能性があります。
歯肉炎をそのまま放っておくと、細菌感染は歯根膜や歯槽骨にまで波及し、深い歯周ポケットを形成し、歯槽骨が吸収され歯がグラグラしてきます。これが歯周病です。
歯周病はほとんど無症状にゆっくりと進行するため、歯がグラグラしたり、歯ぐきが急に腫れて痛くなるまで放置されがちです。そして、気付いた時には歯槽骨がほとんど失われ、治療が大変困難な場合が多いのです。

(2)歯周病の進行と治療法について 

 

健康な歯周組織
この歯肉溝にプラークがつかないように適切なブラッシングが必要です。
健常な歯周ポケットは、0.5~2mm です。

処置
3~6カ月に一度、定期検診を行いしっかりとプラークコントロールしましょう。

歯肉炎
歯肉溝にプラークがたまり、歯肉に炎症が起きています。そのことにより歯周ポケットと呼ばれるものができました。この段階では、歯を支える歯槽骨は吸収していません。

処置
3カ月に一度ぐらい検診を行い、ブラッシングにて改善をはかります。歯石の付着があるところはルートプレーニングを行う場合があります。

軽度歯周炎
これがいわゆる歯周炎です。歯周ポケットは、4~5mm ほどになり、ポケット内にプラークや歯石がたまり炎症がより強くなります。歯肉の色が赤みを帯びてきます。歯を支える歯槽骨も吸収し始めます。

処置
麻酔をして、ルートプレーニングを行い、歯石を除去します。

中等度歯肉炎
炎症が進行して歯周ポケットが深くなります。歯槽骨の吸収も進行してきます。歯を指で押すと弱干ぐらぐらしてきます。

処置
麻酔をしてルートプレーニングを行い歯石を除去します。症状が重いところは歯周外科手術へ移行する場合もあります。

重度歯肉炎
歯のぐらぐらも著しくなり歯肉も全体的に真っ赤もしくは赤紫色になり出血も認められます。

処置
歯を保存できるようであれば歯周外科手術、再生療法を行います。残念ながら抜歯となる場合もあります。

(3)治療法
 どのような病気もそうですが、早期発見、早期治療が最善です。
歯周病は歯と歯ぐきの境目に付着したプラーク中の細菌が原因で起こります。つまり、プラークコントロールが最も効果的な原因除去療法なのです。
また、歯周病は『生活習慣病』の一つとしてあげられ、食生活、運動習慣、喫煙、飲酒等の生活習慣によってもその発症・進行が関与します。つまり、体の抵抗力を上げて免疫力を活性化させることも重要です。
実際の治療は、まず患者さんが毎日行えるブラッシングの効果を上げるために、専門家によるブラッシング指導を行います。
次に、歯冠部に付着している歯石を除去し、歯の表面を機械的に研磨(PMTC)することによってプラークが付き難いようにします。この段階で、歯肉炎や軽度の歯周病は改善します。
さらに進行しているケースでは、歯根表面に付着した歯石と細菌が出した内毒素が染み込んだセメント質の最表層を除去するルートプレーニングを行います。これによって、歯周ポケットが浅くなり、炎症が軽減されます。当医院ではハードレーザーを用い、セメント質に染み込んだ内毒素を分解させることで早期に治療効果が得られます。
この段階で、歯肉からの出血や排膿(膿がでること)は治まり、歯の動揺も改善されます。
しかし、歯の動揺が著しく、歯周ポケットが4mm以上あるケースではポケット内の最深部の清掃が十分に出来ないため歯周外科を行う場合があります。
いずれにしても、歯周病は放置していたり、我流の家庭内治療は一時的に良くなっても必ず再発するので、専門家に相談し早期治療を心がけて下さい。
 歯周病はひとたび罹患すると完治することが難しい病気です。治療が終わったあとも、再発を防止するために、定期的なチェックとクリーニングが必要となります。来院していただく間隔は歯周病の程度によって異なりますが、健康な歯ぐきの方のメインテナンス間隔が6ヶ月~1年ぐらい毎であるのに対して、中等度以上に進行した歯周病にかかっていた方の場合は1~4ヶ月に一回はクリーニングが必要となります。定期的な歯科検診が再発予防のためにも重要ですので、ぜひ『かかりつけ歯科』をお持ちになることをお勧めします。

 

(4)最新の治療法

 1)GEM21S:血小板由来成長因子 PDGF

簡単に言いますと、歯周病で骨が無くなってしまった部分に詰めておくと骨が再生するとされている新歯科材料。エムドゲインにも同様な作用がありますが、エムドゲインは生物材料から作るのに対して、このGEM21Sは 100%化学合成されたものです

 

 

 

 

GEM21Sは2つの物質から成り立っています。 

  • rh PDGF (Platelet-derived Grouth Factor)の液
  • β-TCP バイオセラミックスの粉
    この2つを混ぜて歯周病により骨が欠損してしまった部分に詰め込みます 

   このGEM21Sの最も重要な物質はPDGFです。PRP(自分の血液を採血して血小板を濃縮したもの)にもPDGFは入っているそうですが、このGEM21SのPDGF量はPRPの1000倍。PRPは骨の治癒や増殖にはあまり関係ないと言われているのに対して、このPDGFは硬組織(骨)と軟組織(粘膜)の両方の治癒に劇的な効果を表すとされています。又、歯のそばに入れた場合、歯根膜繊維芽細胞の走行と増殖を促す作用もあるそうです。つまり歯根膜の再生が行われるとの事。いってみれば、革命的な歯科材料といえましょう。

<良い点>

  • エムドゲインの様に、生物から作っていないので未知の感染への心配がない。
  • エムドゲインの様に液状でなく、詰め込む事ができるので、手ごたえがある。
  • GBRの様に補てん材を入れた後に設置する膜が不要。
  • 根の分岐部の骨吸収にも有効。

<問題点>

  • 米国では2005年にFDA(アメリカ食品医薬品局)から認可されておりますが、日本では未承認。よって売っていない、つまり保険診療に使うことは不可。ただ皮肉な事に、これを作っているオステオヘルス社は日本の第一三共株式会社の子会社。
  • 高い。1パック(βTCP 0.5 cc)が、米国価格で約300ドル。日本で並行輸入業者に依頼すると1ドルが100円程度で4万円以上。
  • 米国から個人的に持ち帰ったり、輸入して手に入った場合にでも、使用する場合はすべての、歯周病の治療行為が保険外診療となること。又、副作用が出ても、国の救済制度に申請する事は出来ない。
  • PDGFは温度管理が大事。2℃から8℃で保存する必要がある。もし個人輸入する場合は、冬の一番寒い時以外はまずい。
  • βTCP自体は、吸収しやすいものなので、長年の安定性は課題。
  • 歯の周囲にグルッと骨が無い場合は無効。歯の周囲の一部分の骨の欠損に有効。
  • 効果が出るのに半年はかかると思われる。
  • このGEM21Sを入れて粘膜を閉じると、入れない場合に比べて、骨面からの血液供給が受けられないために、粘膜が開いてきたりして、GEM21S自体が感染したりする場合が考えられます。

 

2)エムドゲイン:エナメルマトリックスデリバティブ

  歯周病の中の歯周炎にかかりますと、歯を支えている骨が吸収して段々と歯が動いてまいります。その失われた骨を再生する事ができるようになってまいりました。
それを可能にしたのは、GTR法とエムドゲイン法です。GTR法とは、(Guided Tissue Regeneration)1980年代の半ばに登場した方法で、 骨の無くなった部分に、医療用のゴアテックスの皮膜を設置して、骨を再生させようとする方法です。ただ、この方法は、難しいのです。それは歯肉の下にそーっと ゴアテックスの膜をはさんで縫合するのですが、欧米人に比べて歯肉が薄いアジア系の人種の場合は 手術は煩雑になるばかりか、術後、何日かして膜が露出してしまったりする事があるのです。当然そうなりますと、感染してしまったり して、骨はできません。そんな時に登場して来たのが、エムドゲインと言う物質を使う歯槽骨の再生療法です。

<エムドゲインとは、>

 幼弱な豚の歯の芽(歯胚と言います。)から抽出したタンパク質の1種です。エムドゲインは商品名で、エナメルマトリックスデリバティブこれが一般名です。

スウェーデンのビオラ社で開発生産され世界40カ国以上で使用されておりますし、莫大な数の論文が世界中で発表されております。そしてこれは日本の厚生労働省の承認がなされておりますが、健康保険診療の適応にはなっておりません。

 

 



<どんな歯周病にも使えるのでしょうか>

それは、ノーです。部分的に骨が吸収してしまった場合しか効果は無いようです。つまり歯の周囲360度の骨が水平的に下がってしまった様な場合は、適応外です。 専門的には、2壁性や3壁性の垂直性骨欠損が適応です。

<使う前の準備は必要ですか>

基本的な歯周病の基本的な治療が一通り終わっている必要があります。つまり歯ブラシがしっかり使える様になっている事及び、歯石の除去等が終了している事です。逆を 言いますと、歯ブラシの使い方が悪い場合や、きっちりとした歯周病の治療ができていないと、このエムドゲインを使っても意味がありません。尚、きちっとした歯周病治療とは、歯ブラシの正しい使用法を理解し、その上に、エムドゲインを必要とする部分の様な場合、局所麻酔をした状態において、しっかり歯石が除去されていることを意味します。

<実際の使用方法>

歯茎を切開して、歯の面を徹底的に掃除をしてから、酸処理をしてエムドゲインを塗布後に縫合して終わりです。GTR法よりは簡単ですが、ある程度縫合をしてから エムドゲインを塗布しないと、ゲル状ですので、塗布してから縫合していると流れ出てしまいます。あと、何と言ってもこの段階で、沢山の歯石が残っている 様では上手くいきません。この前の段階で殆どの歯石をとっておく必要があります。

<術後のケア>

1ヶ月位は、歯間ブラシや、デンタルフロスでつつく事をしてはいけません。そーっとしておくことが重要です。周囲を磨く事はかまいませんが、あくまでもエムドゲイン を塗布したところはつつかないようにします。補助的な手段として、クロルヘキシジンを含有したコンクールと言うウガイ薬を使っていただきます。そして 定期的に来院していただいて、歯科衛生士がその部分をさわらないように、掃除をします。

 歯周病は慢性病です。エムドゲインを使って骨を再生させても、その骨を溶かす細菌が増えだす環境ですと、本末転倒になりますので、定期的なポケット内の清掃は一生涯必要です。

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