ドライマウス(口腔乾燥症)
2月 10th, 2009 by admin
ドライマウスとは
唾が出なくて口の中が乾く症状を「口腔乾燥症」あるいわ「ドライマウス」と呼んでいます。
日常生活の中で「喉が渇く」ということがありますが、これは「口渇」で主に自覚的な乾燥感を表現するときに用いられます。一方「口腔乾燥症」とは口腔内が乾燥している状態を意味する症状名です。口腔乾燥症は唾液の分泌量が減少して口腔内が乾燥する病気ですが、唾液腺分泌量に影響する因子として年齢、性別、唾液腺の炎症や腫瘍、シェーグレン症候群、糖尿病などの代謝性疾患、栄養障害、薬物の服用、情緒的因子などがあげられます。
ドライマウスの原因
(1)全身的要因に起因する口腔乾燥
1.加齢:唾液腺組織の萎縮(一概に加齢と断定することはできません)
2.薬の副作用:利尿剤、降圧剤、抗不安薬などの影響
3.全身疾患:シェーグレン症候群、糖尿病、高血圧などの影響
4.その他:ストレスなどの影響
(2)口腔内に起因する口腔乾燥
1.口呼吸(口腔内乾燥、歯周病、虫歯の誘因となる)
2.嗜好品の過剰摂取(唾液分泌の抑制):カフェイン、アルコール、ニコチンなど
3.摂取水分量の不足(唾液分泌に利用する水分の不足)
4.不十分な咀嚼回数(唾液腺の萎縮と唾液分泌の低下)
5.微量元素摂取不足(亜鉛不足:細胞の活性の低下)

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ドライマウスの自己症状チェック(目安です)
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1.いつも口や喉が渇いた感じがする 2.口が渇くので水をよく飲む 3.乾いた食品が食べにくい 4.のどが渇いて目が覚めることがある 5.口臭がある 6.口の中がネバネバしてしゃべりにくいことがある 7.眼が乾いて涙が出にくい 8.スナック類やファーストフードが好き 9.仕事や家庭でストレス・緊張を感じている 10.几帳面で神経質と言われたことがある 0~1 心配なし。 口の渇きが気になる方は検査・治療を受けることをお勧めいたします。 |
唾液の分泌量を簡単に調べる方法を一つご紹介します。(ガム試験)
ガムを10分間噛んで下さい。ガムは何でも結構ですが、表面に糖分がコーティングされているガムは糖分が無くなるまで噛んでから始めてもらいます。
メスシリンダーが有ればいいのですが、なければコップでもかまいません。
まず、空のコップの重さを計り、ガムを10分間噛んでいる間に出てくる唾液を全てコップの中に貯めてください。そして、唾液が貯まったコップを計測してください。
唾液の入ったコップの重さ - 空のコップの重さ =10分間の刺激唾液の分泌量(重さg)
10分間の刺激唾液の分泌量が10g以下の方は、ドライマウスの可能性が有ります。
シェーグレン症候群
- 中年女性に好発する涙腺・唾液腺を標的として炎症を起こします。「目の乾き」「口の渇き」を主症状としますが、全身性の免役異常とも深い関係をもっています。
- 二次的に起こる続発性シェーグレン症候群は、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)、強皮症、多発性筋炎、混合性結合組織病に続発して起こります。
- ◆シェーグレン症候群の疫学
- 日本では厚生労働省の発表(2002)で、7万8千人と報告されています。実際には10万人以上と考えられています。
(その理由として、関節リウマチ患者さんの約20%にシェーグレン症候群(続発性)を合併します。原発性シェーグレン症候群はこのような続発性の2倍の頻度があります。)
男女比は1:14で女性に多い.
唾液について
唾液は一般的に99.5%が水分で、残りが無機質と有機質です。
唾液は三大唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)と口の中に多数点在する小唾液腺から一日に約1.5リットル分泌されます。
唾液は単なる水ではなく、様々な役割を担っています。
1、消化作用
2、味覚を感じる為の溶媒
3、発音・咀嚼嚥下のための潤滑油の働き
4、自浄作用・抗菌作用・有毒物質を薄めて無害化する作用
5、口の中を一定のpHに保つ作用
などが有り、もし唾液が出にくくなると虫歯が多発し、歯周病を悪化させ、口臭、入れ歯による痛み、味覚異常、嚥下がしにくくなるなど、様々な症状が現れてきます。
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治療法
(1)唾液分泌改善薬の使用
唾液分泌を促進する薬剤にサリグレンとサラジェンが有効ですが、保健適用がさせるには限定されます。
・サリグレン:シェーグレン症候群の患者さんのみに保健適用
・サラジェン:癌の放射線治療にともなう口腔乾燥症の患者さんのみ保健適用
(2)漢方薬の使用
当院では患者さんの口腔内の状態や全身の状態にあった保険適用可能な漢方薬を使用してドライマウスや舌痛症などの症状の緩和を行なっています。
漢方薬治療の目的は生活改善と体質改善を促し、生体の回復力や免疫力を高めることで、疾病の発症や進行を遅らせることに有ります。
漢方薬は西洋薬に比べ利点としては比較的副作用が少ないが、欠点として薬効が曖昧で効果発現までに長期間の服用が必要です。
通常、効果発現までには1~3ヶ月の服用が必要で、効果がでた後もすぐには漢方薬を中止せず、3~6ヶ月かけて徐々に減量していきます。
(3)機能訓練法
口の周りの筋肉を鍛えて口腔内の内圧を高め、唾液腺の賦活化をはかります。
唾液腺(上の図を参照)特に耳下腺と顎下腺部のマッサージ。
(4)薬の副作用によるドライマウスの場合は原因薬剤の減量・中止・変更をかかりつけ医と相談します。
(5)口腔粘膜の保湿
乾燥感の解消の為に様々な保湿効果のある製品が販売されています。
保湿剤には、生体内保湿成分であるヒアルロン酸ナトリウムを含有したものが効果的です。